伸した蕎麦の畳み方・切り方

伸し上がった蕎麦の折り方ですが、畳み方が逆にならない様に畳みます。通常は最後の畳目が手前に来るようにします。向こう側に持っていくと、包丁に押されて砕けたり、生地のたるみやずれを生じます。また、打つ量が少なく延ばしたときの幅が取れないのなら八つ畳みでなくても四つ畳みか二つ畳みでも構わないと思われます。                   もちろん包丁の長さを考えて決めましょう。包丁の切れ味ですが、もちろんよく切れるに越した事はありません。                 次に包丁の使い方ですが人によってくせもあり、どれが正しいとはいいかねます。基本は若干、向こうに押すようにまっすぐに切ります。和包丁の「菜切り」と同 じで、刃先がやや下向きに入り弧を描くように押し切ります。     そば包丁は洋包丁のような反りが無いので、洋包丁の使い方では刃先やまな板を傷つけます。弧を描くような気持ちでまな板に着く時刃全体が着くようにします。いずれにしても蕎麦切りは、少なからず練習を要します。    もし基本どうりでうまくいかないなら、いろいろ試してみましょう。蕎麦が畳み目で折れたり切れたりするのは、練りや捏ね不足が考えられます。   そば打ちの手引書には、捏ねる時間や回数を示してあります。もちろんそれらは間違いではないのですが、打つ人の熟練度や粉の質、つなぎの割合、打つ量などで違ってきます。
 初心者の方ではそれらの数字では、打てないことが多いと思います。本に書いてある粉や量で打つ時に、その時間や回数で完璧に捏ねられるようになれば大変結構なことです。手引書の数字は練習のときの目標値だと思って下さい。もし、そば打ちに慣れていないのでしたら、今までの1.5倍から2倍くらい練りと捏ねを重ねてみましょう。きっと効果が現れると思います。                   最後に余談ではありますが、蕎麦道場の先輩から教わった言葉に『麺の長さは「そば8寸、うどん1尺」』というのが有ります。昔からの江戸打ちの御定法と言われています。 これは、食べる人の事を考えたもので、一息ですすれる長さ、セイロからそば猪口への運び易さ、あるいはそれらの所作の美しさを保つ為のものだそうです。正に『蕎麦道楽の美学』とでも言いましょうか。それ故に長すぎるそばは下品とさえ言われていたそうです。

最終更新日:2013年06月13日

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