栗 (くり)

秋の味覚を代表する「栗」は、大きく分けて4つの種類があります。国内で一般的に売られている「ニホングリ」天津甘栗でおなじみの「チュウゴクグリ」、マロングラッセなどに使われる「ヨーロッパグリ」、そして日本ではあまり見かけない「アメリカグリ」です。見かけはあまり変わりませんが、それぞれ地域に合った特徴があります。ニホングリは野生の(芝栗)を品種改良したもので、果実が大きく風味が良いのが特徴。しかし、甘みがやや少なく渋川がはがれにくいのが難点です。一方、チュウゴクグリは甘くて渋川もむきやすいのですが、果実が小さくて栗の害虫である(クリタマバチ)の被害を受けやすく、日本では栽培されていません。(天津甘栗の原料としてよく使われているのは、「板栗(バンリー)」という品種です。ヨーロッパは小ぶりながら渋皮がむきやすいのが特徴です。しかし、こちらも病気や害虫による被害を受けやすいため日本では栽培されていません。アメリカグリは果実の品質が良く、また大きくて、強い樹が木材として使われるほど利用価値の高いものでしたが、1900年ごろに発生した菌類「栗胴枯れ病」の被害によりほぼ壊滅したといわれています。現在でも一部の地域で栽培されていますが、病気に弱いので日本で栽培することは出来ません。

栗の歴史はとても古く、縄文時代の遺跡である三内丸山遺跡(青森県:約5.000年前)からも数多くの栗が出土しています。平安時代の初期には京都の丹波地域で栽培され始め、徐々に地域が拡大していきました。書物では古事記(712年)や日本書紀(720年)にも登場し、平安時代の法典「延喜式(えんぎしき:927年)」には、乾燥させて皮をむいた「搗栗子(かちぐり)」や、蒸して粉にした「平栗子(ひらぐり)」なども記されています。丹波では現在でも栗の栽培が行われていて「丹波栗」はブランド品として有名です。日本各地で栽培されていた栗ですが、昭和16年頃に発見された害虫「クリタマバチ」による被害で日本中の栗園は大打撃を受けました。それ以降はクリタマバチに抵抗性を持つ品種が育成されて現在に至っています。
・栗の見分け方・                     果皮に張りと光沢があってずっしりと重みがあるものがお奨め。古いクリは水分が減っているので重みがなく、味も風味も落ちています。当然ですが、傷が付いていたり黒っぽく変色していたり、穴があいているものは避けましょう。

最終更新日:2011年08月22日

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