4LDKの平屋建ての貸家を賃料月額10万…

ご相談の内容

4LDKの平屋建ての貸家を賃料月額10万円で借りていますが、北側の1部屋に雨漏りが生じ、その部屋だけ使えなくなりました。貸主に言っても「今お金が無い」とか、「老朽化しているのでしかたない」などの言い訳をして補修しようとしません。借主からの対抗手段として、補修するまで月額10万円の賃料の支払いをストップしようと思いますが許されますか。

回答

1.修繕費について
1)貸主は原則、借家を修繕する義務があります。貸主は、借主が借家を使用するのに困らないように修繕する義務がある)とされます。ただし、例外的に、
①主要な構造部分の損傷が激しく、耐久年数が尽きかけている場合の大修繕
②家賃が世間相場に比べあまりに安い場合には、修繕義務が認められない場合があります。
2)今回の設例においては、一般的には、貸主に修繕義務があるとされる場合が多いと思われます。
2.賃料の支払停止
1)次に、貸主が修繕義務を履行しない場合に、賃料全額の支払いを拒絶することは出来るでしょうか。
2)この点、建物の一部が貸主の修繕義務不履行により使用できなかった場合につき、「修繕義務不履行が借主の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、借主は当然には賃料支払い義務を免れないものの民法611条1項の規定を類推適用し、借主は賃料減額請求権を有すべきと解すべき」と、判断した判例が有ります。
3)すなわち、上記裁判例によれば貸主が修繕をしない場合には借主は貸主に対し減額請求をすれば、当然に家賃が下がり、下がった分の賃料の支払い義務は、免れることになります。もちろん、その金額に争いが生じるときは、判決で本来いくら下げるべきであったかが確定することになります。また、上記裁判例においては、2階建て建物の2階部分のうち、約2/3が使用できない状況にあったが家賃全体の25%相当額の減額請求を認めています。
4)上記設問においては、北側部分以外については借主は使えるわけですから借主は貸主に対し、北側部分を利用できなくなったことによる相当額の減額請求が出来るにとどまり、家賃全部の支払いを拒否することは出来ません。にもかかわらず、家賃全額の支払いをストップした場合には、借主は過度に賃料支払義務の履行を怠ったと判断され、貸主から債務不履行を理由とした解除のる可能性もあります。

最終更新日:2012年10月22日

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