里芋(さといも)

里芋は熱帯のアジアを中心として重要な主食の多様なタロイモ類のうち、最も北方で栽培されています。日本には縄文時代に伝わったそうで、山地に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモという名が付いたと言われています。栽培は比較的容易で、水田などの水分含量の高い重粘な土質で日当たり良好かつ温暖なところが適すとされ、夏から秋にかけて収穫されます。
煮物の材料として、日本では極めて一般的な存在です。各地の芋煮会、芋炊き会の主材料です。親イモに寄り添うように、子イモ、孫イモと沢山のイモができ、これら子イモや孫イモを「芋の子(いものこ)」と呼びます。親イモ、子イモ、孫イモが塊状になる品種にヤツガシラ(八頭)があり、子孫繁栄の縁起物として正月料理等にも用いられるほか、芋茎(ずいき)を食用にします。でんぷんを主成分とし、低カロリーで食物繊維も豊富です。独特の「ぬめり」がありますが、これはムチン、ガラクタンという成分によるもので、ムチンには消化促進、ガラクタンには免疫力向上作用があると言われています。生ではえぐ味や渋みが強く.これはある種のタンパク質が付着したシュウ酸の針状結晶が多数あるためで、その結晶が口腔内に刺さることにより引き起こされます。このため加熱等でタンパク質を変性させ、渋みを消します。

サトイモの茎の部分をそのまま、あるいは干して乾燥させた物を『ずいき』と呼び食用にします。主に煮付けなどにして。着蕾した株では、その中心に葉ではなくサヤ状の器官が生じ、次いでその腋から細長い仏炎苞を伸長させてきます。仏炎苞は淡黄色で鑑賞価値はほとんどなく、花は仏炎苞内で肉穂花序を形調理されることが多いそうです。サトイモは花を咲かせないと言われますが、実際には着花することがあります。着花する確率は品種間の差が大きく、毎年開花するものからホルモン処理をしてもほとんど開花しないものまで様々です。サトイモの栽培品種は2倍体(2n=28) 及び3倍体(2n=42) です。着果はほとんど見られませんが、2倍体品種ではよく着果します。種子はウラシマソウなどと比較してかなり小さいですが、採種後乾燥させることなく直ちに播種することにより容易に実生苗が得られます。毎年繰り返される経済栽培である耕作では、サツマイモやジャガイモと同様にもっぱら親株から分離した種芋を土中に埋める、いわゆる植付によって行われます。種子繁殖は品種改良等の交配目的以外で行われることはほとんどなく、実生苗が親株(成体)と比較して相当小さく、生育させるためにかなりの手間を要するそうです。

最終更新日:2012年10月22日

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